パステルウィング 癒しのブログ

気楽なショートエッセイ風

ブーニン9年ぶりの復帰公演


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こんにちは!

パステルウイング癒やしのブログへようこそ🌈✨

今日は 2022.11.7 月曜日

 

連日爽やかな秋晴れが続いています🍁🍂

ところで皆さんは、ロシア出身のピアニスト、スタニスラフ・ブーニンをご存知ですか?

 

1985年のショパンコンクールで19歳のブーニンが1位になり、最年少記録となりました。

そのときのコンクールの模様を、私も食い入るように観ていたのです。

ブーニンはとても19歳とは思えない風貌とオーラ、繊細かつダイナミックな演奏で、聴衆の心をとらえました。

 

その後、私は父と若きブーニンの日本公演にも行きました。思い出深いピアニストの一人です。

 

ブーニンよりも少し若いキーシンなどが長く演奏家として活躍しているなかで、気がつくと、ブーニンの名前を公に聴くことがなくなり、どうされているのかしら?と気になっていたんです。

 

そしたら、昨日放送されたNHK BSPで「ブーニン復帰公演 9年の空白を越えて」という番組を観ることができました。

ブーニンさんは、2013年に、左肩の病のため、左手がマヒし、その後、転倒して左足を骨折。持病の糖尿病もあって、痛めた足が壊死し始め、難しい手術で傷んだ部分を切断し、上下を繋ぎ合わせたそうです。ピアニストとしては、左足もペダルを踏む大切なものなので、残したかったのだと思います。

手足の懸命なリハビリをし、まだ左手はリハビリの途中だそうですが、短くなった左足には厚底靴を履き、動きのままならない左手を右手でカバーできるように、指使いもゼロからやり直す‥という大変な努力を積み重ねてこられたのです。

 

演奏家として再びステージに立つことをあきらめかけていたときに、励まし背中を押してくれたのは、日本人でジャーナリストでもある奥様でした。

奥様の深い理解。そして苦しいときに寄り添い、励まし続けてこられたことが、ブーニンさんを復帰へと導かれたのです。

 

素晴らしい夫婦愛を感じさせていただきました。

 

そして、「八ヶ岳高原音楽堂」での、9年ぶりの復帰公演。


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ブーニンの復帰を心待ちにしていたファンで満席でした。演奏も素晴らしく、トークショーも印象深いものでした。

 

「たとえ左手が思うように動かなくても、精一杯努力して、また音楽を奏でたいと思うようになったんです」

「技術的に完璧でなくても、人に感動を与えられる美しい演奏がしたいです」

 

このブーニンの言葉が、私の心に深く残りました。

 

シューマンの曲で、手のリハビリを兼ねながら、やがては愛してやまないショパン

 

そう目標を語るブーニン。再び音楽を奏でられる幸福、そして演奏を観客に披露出来る喜び、未来への希望‥ 

 

若き日に、ショパンコンクールで優勝し、輝かしい未来が待ち受けていたはずが、時代の波にもまれ祖国を離れ、思いもよらぬ病と怪我で、絶望の淵に追い込まれながらも、再び復帰されたブーニン

過去の栄光や名声、過去の演奏にとらわれていたら、復帰はおそらくできなかったかもしれません。

そういったものをいったん捨て去り、

苦難を受け入れて、

素の自分に立ち返り、もう一度、純粋に音楽と向き合ってこその、道のりであったのではないでしょうか。

その影には、想像を絶する苦悩と努力と強い覚悟があられたはず。

近未来に、ブーニンさんの新しいショパンの音色を拝聴できる日を心より楽しみにしております。

 

楽家として、また一人の人間の生き様として、後世に遺る、素晴らしい人生を歩んでくださるものと思います。

ブーニンさんご夫妻のお幸せと、今後のますますのご活躍を心よりお祈りしております🌅

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皆さま、最後までお読みくださり、ありがとうございます☺️

今日もとうぞ素敵な一日でありますように🌈💫💞